きっかけとなったトップシェフとの交流
「この味、何だと思う?」
箸からヒントを得たという長いピンセットを手に、いたずらっぽい 眼差しで答えを待つロブ・バーンさん。スプラウトと総称される 発芽(新芽)野菜」を手がけるコッパート・クレス社(以下コ パート社)のオーナー社長だ。
発芽野菜。あまりピンとこないかもしれないが、「かいわれ大根やクレソン、もやしに代表される」という言葉を付け加えたらどう ろう。すぐに姿形が思い浮かぶのではないだろうか。最近では、の栄養価の高さから再注目されはじめている発芽野菜。私たちに 親しみのある野菜だが、ここオランダではまだ物珍しいものとして扱われているらしい。
「オランダにも美食というコンセプトは拡まっています。しかし、他の国に比べるとまだまだ少ない。その点で難しさはあります。当初は見向きもされませんでしたから。スペインにあるエル・ブリという有名レストランはご存じですか?もう長いつきあいになるので すが、彼らに製品を提供しているということは、あまり知られてい ませんでした。その昔、オランダで催された展示会での話です。私 がいつものようにエル・ブリのシェフと話しているところを見たオ ランダ人シェフたちの驚きようには笑ってしまいました。それ以来、態度が変わったことは言うまでもありません」。
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発芽野菜を使った料理の勉強会参加する展示会は年間で50から60。作れるものを売るのではなく、必要とされるものを売ることをモットーとするコッパート社は、エンドユーザーとのふれあいを大切にしている。そのなかでも特に力を入れているのが、発芽野菜を実際に使ってくれる人たちとの交流。展示会への参加は勿論こと、定期的に世界中のシェフを呼び寄せ、自前の最先端キッチンで、発芽野菜を使った料理の勉強会も開いているという。 「私たちには、世界中のトップシェフのために製品を作っているという自負があります。しかし、これまでの道のりは簡単なものではありませんでした。まずは彼らと知り合い、製品を気に入ってもらう。次に、仕入れ先や輸入業者など、オーダーできるシステムを確立する。そのプロセスはともて複雑で、時間のかかるものです。そのなかでも特に、末端とも言えるシェフとの交流を私たちは重視しました」。 エンドユーザーへのアプローチ。ビジネスの世界では当たり前に思える手段だが、野菜の生産者がエンドユーザーに接する機会はほとんどない。市場で誰かが買ってくれるのを待っているだけ。そもそも、エンドユーザーから、自分たちが生産した野菜の評価や助言を聞く機会を作るという発想がないとロブさんは嘆く。「2002年の売り上げが180万ユーロ、去年は720万ユーロ。コッパート社は5年間のうちに急成長してきました。製品自体に魅力があったことは言うまでもありませんが、やはり大きな要因はシェフとのふれい。彼らと「私たち」と言える関係を築くことができたからこそ、今の成功があると私は考えています」。
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