Made in Holland no. 1

Asparagus

春の到来です。

オランダで「春」を告げるものというと、クロッカスにヒヤシンスに・・・と、ついついお花畑を思い浮かべてしまいますが、食べ物では、何を差し置いてもホワ イトアスパラガス。ホワイトアスパラガスは、チューリップなどと同じユリ科に属している、唯一の「野菜」です。盛り土の中で育てられ、頭が太陽の下に数ミリ出た ところで収穫されるため白い色をしていますが、種類としては緑のアスパラガス と何の変わりもありません。

 

日本では缶詰が主流で、生のホワイトアスパラガスといえば高級品というイメ ージですが、オランダでは青空市場で山盛りになって売られており、親しみのある 気軽な食材です。シーズンである4 月下旬から6 月にかけて、オランダ人は嬉々 として一本直径2 センチ、長さ25 センチはあろうかという迫力満点のホワイト アスパラガスを抱えるようにして買い込み、シンプルに茹でたもの、またスープに したものを「美味しい!春だね!」とワイワイ言いながら家族でモリモリと食べま す。みずみずしさと、病みつきになるほんの少しの苦味。更にビタミン豊富で利尿 作用もあるこの食材。普段はご無沙汰続きの友人なども、「アスパラガスがたくさ んあるから食べに来ない?」と誘うと、すぐに白ワイン片手に参上したりする、ち ょっとした社交的パワーも持った優れモノなのです。

 

ちなみに、アスパラガスの和名は「オランダキジカクシ」。葉のように見えるアス パラガスの松葉状の茎が成長すると、キジの隠れ場になるほど生い茂ることに由 来するネーミングで、オランダ人によって最初に日本にもたらされたのは、江戸時 代のことです。意外なところで日本とオランダをつなぐアスパラガス。どこかの店 頭で見かけたら、ふとオランダ人の嬉しそうな食べっぷりを思い浮かべつつ、ご賞 味してはいかがでしょうか。

I. Hiruta

 

 ひとめでわかるアスパラガス畑。 芽が出たときが

ひとめでわかるアスパラガス畑。 芽が出たときが
刈り入れどき。