食品の安全性について

オランダ大使館 農業・自然・食品安全部では、食品の質をもっとも重視しています。健康を左右するこの食品の質。安全な食品は、質の高い方法で、継続して生み出されるべきであると私たちは考えます。

 オランダの食品安全政策の礎となっているEUの食品安全方針。極めて高い品質管理が求められる この方針を導入することにより、オランダの消費者は、EU域内で生産される食品を安心して購入が 出来るようになりました。EUでは、生産者農家から食卓までを、一貫したひと続きのプロセスと捉えています。「農家からお皿まで(boer tot bord)」。この標語が示しているのは、最初の生産者、食品産業、流通企業から小売販売店、そして消費者まで。それぞれの段階で、生産あるいは加工業者が、製品の安全性に責任を持っています。対象となる食品が安全かどうかを確認するために、法的規制や基準ガイドラインを拡大するということだけがポイントになるわけではありません。その食品が、化学的、微生物学的に見て安全なのかどうかという問いかけも必要になってきます。衛生管理はきちんとしているか、それを裏付けるラベルは正しく使われているのか。このようなチェック作業があるからこそ、使用が禁止あるいは制限されている物質が、生産段階において紛れ込むことは出来ないのです。

 オランダ農業・自然・食品安全省は、生産者の食品生産活動全般にわたる責任を持っています。日常的な品質管理、生産プロセスのチェックなどが、この枠組みのなかに含まれます。すべての食品生産企業は、自社製品が安全に作られたことを保証するシステムを構築しなければなりません。法律が求める枠組みを満たしていることが「安全性」の最低条件。政府は、生産者や企業が、自分たちの業務の中で自ら作り上げシステムの監督に当たります。企業が自ら改良を加えて行けるように指導するわけです。これを私たちは、「コントロールの監視」と呼んでいます。

 HACCPシステムと「衛生管理規範」に則った申請方法が普及することにより、食品生産のプロセスにおいて異なった役割を果たしている生産者の責任範囲が明確になりました。それによって、食品生産プロセスを遡っても下っても、安全性の確認を一貫してできるようになったのです。多くの企業が、既にISO(国際標準規格)22000か、EurepGapと呼ばれる認証を取得しています。事前の届け出を行ない、十分な書類審査課程を経て、企業は認証を得るわけですが、こうした品質管理システムが効率良く運用されるには、独立した専門家チームによる定期的なチェックが必要です。一般的な品質管理システムに加え、例えば養豚業部門についてはIKBシステム、酪農業部門についてはQlipといった独自のシステムが存在しています。

 品質保証システムにおいて最も重視されるのは、トレーサビリティです。品質保証システムが十全に機能していれば、事故が発生した場合でも、プロセスを遡っても下っても、どこに影響が及んでいるのかを直ちに明らかにすることができます。EUでは、こうした追跡を「トラッキング&トレーシング」と名付けて義務化。このような食品生産活動に関する規制は「食品一般原則」(規制EC178/2002)に示されています。EU域内から域外の国々へ輸出される製品は、こうしたEU域内市場の規制に合致することが最低限でも必要になります。EU域内・域外の間にはまったく違いはありません。輸入国がEU規定より厳しい基準を設けている場合は、WTOの定める基準に照らして適当であるかどうかが判断されます。